「少々やりすぎたのではないか?」

「いや…この星では我々は不利だ。それに指輪の使者は予想以上に力をつけてきている。極限まで弱らせてから連れて帰ったほうがいいだろう」


その言葉を合図に、一斉に男たちがまだ微動だにしない蒼のほうに目を向けた。



風がぴたりと止まる。


それからすぐに、空気が震え始めた。



空の雲が男たちの頭上に集まり渦を巻いて、巨大な竜巻へと化けた。




その竜巻はおもむろに校庭のほうに進み、ありったけの砂を風に乗せて吸い上げた。

砂を含んだ土色の竜巻が一直線に蒼のもとへ突っ込む。