俺様天使とのキスまであと指輪一個分。


「!!!!」

屋上の石畳が一枚一枚剥がされ、蒼の目の間に巨大な壁が築かれた。

勢いそのままに猛スピードで突っ込んでいった蒼は、そのまま石壁に衝突した。


「きゃあああああっ!!!!!」


爆音と壁の破片の飛び散りで、どれほどの威力だったかが伺えた。

分厚い石壁にのめり込み身動きが出来なくなった蒼。


「わかったかい? この力は直接には人に危害を加えることはできないが、風で物を動かしてそれで攻撃すれば…ちゃんと人を殺すほどのダメージは与えられるんだよ」



蒼の返事はない。