俺様天使とのキスまであと指輪一個分。


「さあ、次は指輪の使者を手に入れないとな」

男たちが蒼との距離を詰める。

「わ、私は国を助ける救世主なんだろ!? 襲う必要なんて…」


「ああ…だから俺たちは君を傷つけずに丁重にわが国へ招こうとしている…まあ…抵抗するなら、腕の一本くらいなら折れても差し支えないだろうがな」


「…!」


蒼が反撃に出ようと次の一手を思い浮かべるより先に、男の一人が大きく手を振りかざした。


高らかに挙げた右手が眩く光りを放つ。


その輝きは槍へと形を変えて、蒼の腕目掛けて解き放たれた。