俺様天使とのキスまであと指輪一個分。


先程まで「様」と敬意を込めた呼び方をされていたはずのフレンは、痛めつけられて氷の十字架に貼り付けにされていた。

「どうして……どうしてフレンがこんな…」


グッタリと頭を垂らしていたフレンが、蒼の声にゆっくり顔を上げた。


「……くそっ…俺様と…したことが…」


「アレオン王のお考えに背くものは誰とて排除せよ、とのご命令です」


周りの男たちが不気味に笑う。


「父上……」


これまで見たことのない、悲壮感漂ようフレンの表情を蒼は見た。


掻き毟られるほど、心が熱く締め付けた。