俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

「え…えと…フレンとあいつらは…し、知り合い?」

頭をフル回転させたところで、答えなんて出るはずもない。


「あーっ! もう! 私も追いかけよう!」


蒼は、とんと脚を蹴って、玄関から空へと飛び上がった。



飛び上がる瞬間、聞き慣れた声に呼びかけられた気がした。


しかし蒼は振り返ることなく、空高く見える男たちの小さい影目掛けて上昇した。



声の主も、慌てて玄関から顔を出した。


「あおが……飛んでる!」


美津子と千鶴だ。