「みっつんとちづ……今日はちゃんと会いたい」




夏休みのしんとした校舎の中。

空っぽの下足箱の列の隙間に、蒼はもたれて座っていた。

階段を降りる足音だけで二人が来るのが分かるから、蒼は耳を済ませて目を閉じた。


(いつものようにデザート食べに行って…沢山おしゃべりしたいな…)



カツン、カツン…


頭上からゆっくり、蒼に近づく足音。



「ちづ、みっつん、待ってたよ!」