「のりちゃん、あ、ちょっと夏バテかな! あはは」

いきなり声をかけられて、蒼は変に声が上ずった。

「昨日も早上がりしてたし…ホント大丈夫?」

「多少無理しても部活は頑張らないと。だってもうすぐ引退だろ?」


「無理はしちゃ駄目!!」


珍しく法子が声を荒げて蒼を睨みつける。

その顔が妙に愛くるしくなって、蒼は法子に抱きついた。


「のりちゅわーーん」

「やめぃ! 暑苦しいっ!!」



蒼がチューをしようとしたところで、さすがに法子は突き飛ばした。