蒼は、窓の淵にちょこんと腰を下ろした。

体育座りをして、夜の黒から段々と光が差し込むまで、何気なく景色を眺めた。



泣きたいくらいの状況なのに。

灰色の雲の隙間から差し込む白い光のカーテンがたなびくのが美しすぎて、ただ、何となく見つめていた。


「今日もいい天気…ソフト日和だな」


夏休みは部活漬けになると思っていたのに。


(こんな時間に起きちゃって。今日はもう部活行けないか……いててっ)

空ばかり見ていたので首が痛くなって、今度は下を見ようと、家の前の路地に目を落とした。