「翠くんへのラブレターなんだけど、
恥ずかしくて自分で渡せないんだ…。
光梨、お願い!! 渡してくれない?」




そう聞いた瞬間、私の中で
何かが崩れ落ちた。




「光梨、渡してくれるよね?」
いや、そんなの渡したくない…

でも、明梨が…



「ねぇ光梨? 私たち、親友だよね?」
「う、うん。」



ずるい、ずるいよ明梨…。



「光梨、お願いだって。」
「う、ん…。渡しとくよ。」
「ありがと!! 光梨、頼りになるよ。」




きっと、この時の私は、
ちゃんと笑えていなかったかもしれない。