考え始めてから数分がたったとき、一つ、思い浮かんだ。 「なぁ、琥珀。」 「…うん?」 琥珀は伏せていた顔をあげて、俺を見た。 「あのさ、俺ん家の隣に、蒼井おばさんっていう人が住んでるんだけど、良かったら蒼井おばさん家に行ってみない?」 俺は、琥珀にそう言った。 琥珀は、数秒の間、驚いた顔をしていたが、すぐに優しい笑みに変わり、 「行ってみたいよ。翔太!」 と言ってきた。 俺も、琥珀に笑いかけ、 「じゃあ、行くか!」 と言った。