家から出て、少し走っていたところに
「…おっせーよ!凜香!」
「…あっ!瞬っ!」
瞬が自転車を持って私を待っていた。
急いで瞬に駆け寄る。
「ごめんっ…遅くなった…」
瞬に謝る。
「…いいよ、別に。先行ったのかと思った。」
「ううん、寝坊。」
…アイツのせいだ!
「…ふーん、珍しいな…ま、いーや。ホラ後ろの乗って!」
瞬は自転車にまたがり、後ろを指差す。
「うん…」
…瞬は怒ってないのかな…?
そう思いながら自転車の後ろに乗る。
「じゃ、行くぞ!」
瞬はペダルをいっきにこぎ始める。
いつもより速い。
「…ねぇ、速くない?」
スピードが速いと瞬に指摘する。
「お前が遅いから速くこいでんの!!」
あ、そっか。遅刻しちゃうもんね。
「遅くなってゴメンね…?」
「別にいいよ!」
自転車をこぎながら私をチラッと見る。
「前!危ないわよ!」
「ヘーキヘーキ!」
「おっ、もうすぐ校門だ」
「よかったー、間に合った…ギリギリだね。」
瞬と話していたらもう着いちゃった…
「凜香〜っ!」
瞬が自転車置き場に行っていると、私に手を振っている子がいる。
「あ、菊菜(キクナ)!!」
菊菜とは私の親友、夏目菊菜。
中学校の頃から一緒で、菊菜もすごいお金持ち。
「凜香!おはよう!」
「おはよう」

