コツコツ…


あ…人影が見える。もしかして、あの人が新しい執事…?


「来たようですよ。…こっちですよ!久我山…!」


やっぱり、あの人が私の…

その人は私達の方へ歩いてきた。

そして、私の方に向いてきた。

「…お嬢様の新しい執事になります、久我山 佑介です。…よろしくお願いします。」

私の新しい執事は、久我山と言うらしい…。

「えぇ、知っていると思うけど、凜香よ。こちらこそ、宜しく…」


久我山も挨拶してくれたんだから、私も一応挨拶を…ね。


「久我山はきっと私より優秀な人です。どうぞ、宜しくお願いしますね…」


山田はさっきの険しい顔から優しい顔になった。


「わかったわ。…山田、元気でね…。体を気をつけて。」
私はニコッと笑ってみせた。
ここで悲しい顔したらダメだもんね…


「…はい。お嬢様もお元気で。久我山もお嬢様の事を宜しく…」


「はい、おまかせください。」


そんな事を話て、山田は私の執事を辞めていった。


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それから私は久我山と二人きりになった。

…は、話す事がない…。こんな重い空気イヤだ!!

どうしたらこの沈黙を…


「…お嬢様、もうすぐお父様が空港ひ行ってしまいますよ。」


沈黙をさきに破ったのは久我山だった。

「…お父さんの出発は今日だったの…」


私にはそんな事一言も…


「…お父様の事、気になりますか?」


久我山は私に近づいてくる。


「…別にそんなことは…」


……つか、近い!!


私にだんだん近づいてきた久我山とは、あと数センチでキスできそうな距離。


「…久我山、顔がちかい…」