「おはようございます、お嬢様。朝でございます。」
「…ん…あ…おはよう、山田…。」
一人で寝るには広すぎるベッドから体を起こすと、カーテンを開く音が聞こえた。少し眩しいくて、目がさめた。
「お嬢様、ご朝食がもう出来上がっております。」
「わかったわ。着替え終わったらすぐ行くから。」
「かしこまりました。」
そう言って山田は私の部屋から出ていった。
私は一条 凛香。
一条財閥の一人娘である。
一般の人々がその名を口に出してはいけないほどの超大金持ち。
昔、母が亡くなってしまってから父は前以上に仕事に集中している。だから最近父と顔を合わせていない。父も家に居る事が少ないしね。