拓郎はそんなわたしを見て少し静かになった。 「んー、眠い」 わたしがそう瞳を閉じたまま言っても拓郎は何も反応しない。 なんか、おかしいな。 そう思ったわたしは、瞳を開けようとした。 それと同時に、 「…さゆりっ」 拓郎の切ない声と、わたしの唇に暖かい柔らかい刺激。 拓郎の吐息が鼻にかかる。 「……なにしてるの」 ゆっくりと平然で言えたのは数分後だった。