一生懸命眉を描く世間で言われるギャルという部類に値する女子。


くだらないなー、内心そう思ってしまう。


眉を描くだけでそんなに世界が違うのだろうか?


それにしてもさっきからチラチラと横目でわたしを見てくる男子の視線にイライラとした。


ニヤニヤとグループで固まってわたしを見ては彼らは顔を見合わせる。


わたしが誰ともつるまないから見ているのだろうか?


「さゆりー!買ってきた!」


タイミング悪く拓郎が息を切らせて教室に飛び込んできた。


ありがと。短くお礼を言うと、ビニール袋から拓郎がパンを取り出す。


「俺ねー、焼きそばパンと牛乳と生チョコパン!」


「はっ?」


予想以上に買ってきた拓郎に常識を教えてあげないと駄目だと思ったけれど、とりあえず今はそれを喉の奥にしまい込む。