「私は、今の私にさよならをする」




甘えだけの私。
頼るだけの私。

そんな私から、さよならをする。




「皇に、負けないくらいの私になる」




それから。
私は新たなスタートを切る。

次へ進むために。




「…この機会を逃して、皇様に会えなくなってもいいんですか」

「例えこの、金光さんが与えてくれたこのチャンスを逃して、もう、二度と皇に会えなくなったとしても、私は後悔しないと思います」




絶対と。
私は言いきれる。

だって…




「…何故、そう言いきれるのです…」

「…何故でしょうね」

「は?」

「皇に会えなくなると言う事、多分現実味を帯びて無いんでしょうね、私は」

「…言ってる意味、分かってますか?」

「分かってますよ、勿論。
今の率直な気持ちで、会えなくなるのは嫌。
だけどこのままの私を皇の視界に移すのはもっと嫌なんです」