「皇様は、夏休み、貴女に会うことを本当に楽しみに―――」
「いいえ」
「っ、樹里様?!」
ダメ。
ダメだよ。
今のままの私で、皇の目の前には立てない。
こんな私を、皇の前に立たせたくない。
「今の私では、皇の前には恥ずかしくて立てない」
より、その思いは増した。
今の私では、ダメなんだよ。
やっぱり私は、
「皇のお父様の言うとおりです。
私は皇の隣には似合わない。…相応しくない」
今の私では、
「だから…っ」
ダメなんだよ。
「皇に認められただけじゃ、いけないってこと、金光さんにもわかるでしょう?」
「…っ」
「皇の隣に立つと言うことは、高柳の次期トップの隣に立つと言う事…。
今のままの私では到底無理に等しいの…」
けど。
私は決めたんだよ。
ねぇ、そうでしょう?


