あの頃は、幸せだった。

本当に、幸せだった。



“学校”という名の、箱庭の中で、出会ったあの日。


私は“恋”というものを知った。

初めて人を“恋”することを知った。


一人ひとり、違う恋。
十人いれば、十人の恋がある。


ねぇ。
君の隣にいたかった。
ただ、それだけだったのに。




「どうしてこんなにも空回りしてしまうの…?」





いつもいつも。

私達は空回りばかり。




「皇…ッ会いたい…」




会いたい。
会いたいの。

皇に…。




「やっぱり、私には無理だよ…っ」




皇が隣にいない人生なんて、

――――私には無理。


考えられない…ッ。



皇が私を必要としているんじゃなくて、
私が皇を必要としているの。

――――あなた無しじゃ、生きていけない。