「……ううん、ごめん。何でも無い」 ≪何でも無い事ないだろ、言え≫ ごめん。 言えないよ…。 鏡を見ると、私はケータイ片手に泣いていた。 それを隠して、 「ううん、私がどうかしてた。 ……あのね、皇、話があるんだ」 ≪…何だ?≫ 続けるように言う。 いよいよ、だよ。 言わなきゃ。 「あ…のね…」 言わなきゃ、いけないんだよ。 もう、時間は刻一刻と迫ってるんだよ。 早く。 早く、言わなきゃ。