『…それは、そうしてもらわないと困る。 ―――こちらはあなたの要望に応えているんだから』 『…ッ』 『…じゃあ、こちらでいいかね?』 目の前を見ると、 ――――私の、家の前だった。 『…ッ、はい』 『…明日から3年。 君が高校3年生の…夏までだ』 『…え…』 『…ちょっとくらいは猶予を与えてやる。 私も、そこまで冷徹じゃないからな』 『…ありがとう、ございます』