どうして、この人は。

こんな部分を私に見せたんだろう。


こんな部分を見せられたから。
私はあんな風に言ってしまったのかもしれない。


…わかってしまったから。

…匡仙様が、皇の父親が、私の元に来た理由を。


…これは単に来たんじゃない。


そして、私は思った。

―――あぁ。
この人も、社のトップである前に、1人の子の親なんだ。

皇の将来のことを考えて、
今私に、…皇の将来を邪魔するであろう私を除外しようとしているんだ、と。