…もし。




「高柳、言ってたわ」

「番号が変わってない理由ですか…?」

「まぁ、そんなところね」




…もし、皇がまだ私を好きだったとして。




「この番号ってずっと使ってるの?って何かの話からそういう話になってね。
そしたら高柳、彼女からの連絡を待つために変えないんだって言っててね」

「…え…」


「彼女に連絡したらいいじゃないって言ったの。
そしたら、

『繋がらないってことは、番号を解約したってこと。
新しく契約した番号を知らない俺から掛けることはできない。
だから俺は、彼女からの電話を待つしかできねぇんだ。
だから俺は、番号は絶対に変えない。…生涯な』

って言ってたわ」