そう思って、紙を開いた。 すると私は驚いた。 「…はは、もう。……どうして…」 乾いた笑みが零れる。 ねぇ、皇。 あなたはどこまで、優しいんでしょう。 「…気づいた?」 凄く、自分のことのように嬉しそうな顔をする藤代さん。 だって。 この番号は―――。 「……っ、はい」 …出来ることなら、気づきたくなかった。 ねぇ、皇。 あなたは今までどんな気持ちで。 「高柳は『絶対に覚えてないだろう』って言ってたけど、やっぱり、成瀬さんは覚えてた」