そうか、竜也も。 竜也も私と一緒で、何か私に相談事っていうか、話を聞いてもらいたくて、もしかしたら今日応じてくれたのかも。 ―――だけど。 「ねぇ、竜也」 私から話させてね。 「ん?」 「ちょっと、話聞いてくれる?」 「ああ、どうしたんだよ」 「実はね―――」 先ほど藤代さんから聞いたことを話した。 高柳から引き抜きの話があったこと。 社長が私の実力を買ってくれてること。 藤代さんは、私の好きなようにしたらいいと言ってくれたこと。 私がどこか迷っていること。