家庭料理のメニューがたくさんあるこの店は独り暮らしの俺にはありがたかった。
そして、誰にも言えない相談にのってくれる女主人の存在。
妃緒は少しずつだけど料理に手をつけ、女主人とも次第に打ち解けた。
「妃緒ちゃんのことは、水野さんから何度も聞いていたわ。
実際こうやって話してみて、優しくて頭のいい、キレイな子ね。
だからこそ、もったいないと思うの。」
妃緒は首をかしげた。
「ごめんなさいね、あなたの左手のこと、水野さんに聞いていたの。
誰かを困らせてやろうとかそんなことは考えていないのよね?
思うようにできない自分に対してくやしくて、でも誰にもあたりたくなくて、そういうことしちゃうんじゃないかしら。」
当たっているらしく、妃緒はうなずく。
「だけど水野さんね、ここにきて泣いたのよ。
妃緒ちゃんがまた手首を切ったって。守ってやれなかった、どうしたらいいんだって。」
妃緒の目からは涙が溢れていた。
俺の方に伸ばしてきた手を両手でしっかりと握り、思いの丈を伝えた。
「妃緒、俺たちはまだ出逢って2ヶ月もたっていないよね。
だけど言わせてほしい。
一生ついてきてほしいんだ。
会社がようやく、生活できるだけの利益がでてきた所だから、何不自由ない生活をさせてあげるとは言えない。」
妃緒はまっすぐに俺の目をみつめている。
「それでも、俺は妃緒から離れない。この手を絶対に離さないことは約束する。
一緒に歩いて行こう。
おじいちゃんとおばあちゃんになった時に、日だまりの中で妃緒と一緒にお茶を飲んでいたいんだ。」
「本当に手をひっぱっていってくれるのなら、がんばってついていきます。
山道でも、嵐の中でも。
だから、離さないでください。」
妃緒が応えてくれた。
そして、誰にも言えない相談にのってくれる女主人の存在。
妃緒は少しずつだけど料理に手をつけ、女主人とも次第に打ち解けた。
「妃緒ちゃんのことは、水野さんから何度も聞いていたわ。
実際こうやって話してみて、優しくて頭のいい、キレイな子ね。
だからこそ、もったいないと思うの。」
妃緒は首をかしげた。
「ごめんなさいね、あなたの左手のこと、水野さんに聞いていたの。
誰かを困らせてやろうとかそんなことは考えていないのよね?
思うようにできない自分に対してくやしくて、でも誰にもあたりたくなくて、そういうことしちゃうんじゃないかしら。」
当たっているらしく、妃緒はうなずく。
「だけど水野さんね、ここにきて泣いたのよ。
妃緒ちゃんがまた手首を切ったって。守ってやれなかった、どうしたらいいんだって。」
妃緒の目からは涙が溢れていた。
俺の方に伸ばしてきた手を両手でしっかりと握り、思いの丈を伝えた。
「妃緒、俺たちはまだ出逢って2ヶ月もたっていないよね。
だけど言わせてほしい。
一生ついてきてほしいんだ。
会社がようやく、生活できるだけの利益がでてきた所だから、何不自由ない生活をさせてあげるとは言えない。」
妃緒はまっすぐに俺の目をみつめている。
「それでも、俺は妃緒から離れない。この手を絶対に離さないことは約束する。
一緒に歩いて行こう。
おじいちゃんとおばあちゃんになった時に、日だまりの中で妃緒と一緒にお茶を飲んでいたいんだ。」
「本当に手をひっぱっていってくれるのなら、がんばってついていきます。
山道でも、嵐の中でも。
だから、離さないでください。」
妃緒が応えてくれた。
