「恋と愛のちがいってなんだろうね。」
僕は思わず口に出してしまっていた。

「知ってる?
『I Love you』っていう言葉が、明治時代に日本に入って来たときに、いろんな人が一生懸命に訳したの。
その中の一つがね、
『あなたのためなら死んでもいい』
なんだよ。」
「へえ。
でもわかるかもしれないな。」

グラスの氷はほとんど溶けていた。

「何ミルク?」
「ティフィンミルク。
そういえばこの前ね、苺のフレーバーの紅茶をミルクティーにしたらおいしかったよ。」
僕は新しいグラスを妃緒の前においた。