家出少女。

その後、私と奈々美は旅館の料理を堪能し、眠りについた。

意識が飛ぶ直前、親や学校のクラスメートたちの顔が浮かんだけれど、すぐにかき消す。


‥‥何も考えたくない。


せっかく逃げ出してきたんだから。

私は、そう自分に言い聞かせる。



‥‥‥この田舎で、私と奈々美の新たな生活が始まろうとしていた。