目の前には奴の顔のドアップ。


「騒ぐなよ?」


間近で見た奴の目に
吸い込まれそうになった。

と同時に触れた唇ーーー…っ。




抵抗しようと暴れた両手を
簡単に掴まれると

その力強さでは考えられない
甘く優しいキスーーー…。
目を閉じて その感覚に
溺れていた。





「一平!?」
「雫っ!?」


みんなの声が聴こえたけど
奴のキスは止まらない。


やっと放されたと思って
目を開けると ニヤッと笑う奴。

「良かっただろ?」


勝ち誇ったかのような
笑顔にビンタしてやった。