「じゃっ。さようなら」
エレベーターを降りると
急いで帰ろうと歩き出した。
ちょっ…!!!!
「なんなのっ!?」
何も言わず手をひかれて
黒い車の前に止まる。
「送ってやるから乗れよ」
「結構です」
って言ったのに…
無理矢理助手席に詰め込められて
奴が運転席に入る。
「……………。」
「お前ん家、どっち?」
ムスッとしながら
道案内をして
アパートの前までなんとか付いた。
「…ありがと……じゃっ」
車から降りて
振り向きもせずにアパートの中に入った。
部屋の鍵を開けようとしたら
「結構いい所に住んでんな」

