美しいあの人

芙美子さんの連絡先を教えてくれと祐治に頼んだ時、
祐治は少しだけ怪訝な顔をしたが、躊躇することなく彼女の携帯番号を教えてくれた。
「芙美子からも言われていましたしね」
芙美子さんはあたしがいずれ連絡を取りたくなると分かっていたのだろう。
電話をかけても驚かれなかったし、そのうえ彼女は笑っていた。
「会って話した方がいいの?」
確かに、わざわざ会う必要などなかったのかもしれない。
けれど、あたしは芙美子さんに会って話がしたかった。
ゴールデンウイークに入ればいつでもいいわよと言われたが、
すぐに話がしたかったので平日にお願いした。
あたしの動揺を分かってくれるのは、悔しいことに芙美子さんしかいないのだ。
他の誰にも言えない。
祐治にも言えない。
あたしが話す相手は、芙美子さんしかいなかった。