芙美子さんとの婚姻届を見せられたって、
あたしが原稿を書かなければ西条祐治という作家がなりたたないのだからと、了承した。

「そろそろ、身を固めるべきかと思ったんですよ。だけど、一番大事なのはエリなのです」
そう言われて、納得した。

この美しい人が、あたしを一番大事だと言ってくれて、
側にいてくれるのであればなにも変わらないと思った。