儚恋。




“わあっ!!”


って驚きたかったけど
ここは図書室だし
近くには雄都くんがいる……


だから精一杯に口に力を入れて声を出さない代わりに
目を大きく開いた。



「……誰?」


やっと口に出せた私。


すると彼は
私の横に座って、ふわりと笑った。



「知らない?僕のこと…」



知らない?って聞かれても
初対面だし。



「…知りません」


「そっか」



素直に答えると、
ただ相槌を打つ黒髪の少年。