秋津の声はハッキリと聞こえているが、秋津の顔が見えない。
目の前が真っ暗……なぜだ?
輝の耳の機能は解凍されたが他がまだ絶賛氷河期フェア中だ。
「輝ちゃん、とりあえず目、開けなよ」
パッチリ。
言われた通りにすると、視界がいきなりクリアになる。
目の前に、呆れ顔の秋津。
「俺は誰?」
「アキツ、マホ」
秋津の問いに抑揚のない声が答える。
「ココハドコ。ワタシハダレ」
そう呟くなり、口から煙りを吹きながら秋津の肩にぐったりと頭をもたれかける。
「昨日はできたくせになんで今日はこんななわけ?」
「……昨日のは、勢いです」
肩からくぐもった声が小さく聞こえる。
「輝ちゃん、もしかして昨日が初キス?」
コックリ。
頷いた途端、秋津の盛大なため息が聞こえた。

