「じゃあ、もっかい泣く」
そう言う秋津の目は、また潤んできていた。
まばたきを一度でもしてしまえばほろりと落ちてしまいそうだ。
「お前の感情は変幻自在か!」
キッと秋津を睨む。
「その顔、反則だよ?」
「は?ーーーっ!!」
輝はこれでもかと目を見開く。
目の前には秋津の顔面どアップ。
唇には柔らかくて暖かいふにっとした感触。
シャッターの閉まる音でも聞こえそうなぐあいに瞼がバッタリ閉じる。
目の前が真っ暗なように輝の脳内も真っ暗だ。
抵抗という動作すらも指示できないほど、輝の全身はフリーズ状態だ。
「ほら、輝ちゃんの番」
唇がゆっくりと離されて、秋津が悪戯っぽく首を少し傾けて笑う。

