乙女な彼氏には牙がある!?




「じゃあさ、キスしてよ」


さらに艶やかさを増した声が輝の耳元をなでる。


それは輝に甘美で心地よい疼きを与える。


秋津は壊れ物を真綿で包むように優しく、それでいてしっかり感触を確かめるように輝の腰に手を回した。


「輝ちゃん、お願い」


恥ずかしさで下を向けば、駄目押しのように秋津が甘く囁く。


「……あたしができることだけって言っただろ」


甘美な誘惑に抗うように輝の口から苦しげにか細い声が漏れ出る。


「できるって思うから、お願いしてるんだけどな」


あごをそっと持ち上げられ、秋津と目が合う。


まっすぐ熱を帯びた眼差しで見つめられ、目を離すことができない。


秋津の目からは、もう涙なんて消え失せていた。


「泣き止んでんだから、もういいだろ」


口は動けど、体は動かず。


抵抗すらかなわない。