自分ではかなり慰めたつもりなのに全く効果なしの秋津に苛立ちを覚える。
「…ったく。これ以上いじけてっと、先に帰んぞ」
頭に乗っけていた手でカバンを掴む。
「じゃーな」
感情を読ませない表情で秋津の背中に声をかける。
「………」
秋津は相変わらず背中を丸めてしゅんとしている。
なんて強情なヤツなんだ!
「うぅ~~~」
バッと後ろを振り返った秋津は目を潤ませていた。
「輝ちゃんが帰るなら一緒に帰るぅ~」
人目もはばからず秋津がむぎゅっと抱きしめてくる。
「バカ、離れろ!鼻水付くだろが!!」
焦って秋津をうまくひっぺがせない。
「とと、とりあえず店出るぞ!」
秋津のカバンと自分のカバンを両手に持ち、秋津をズルズル引きずりながら店を出る。
こういう時、秋津がデカいことがなんとも憎いと感じる。

