「なんか、磁石の同じ極近づけた時みたいな状態だね」
秋津が感心したように呟く。
「反発するなら一緒にいなけりゃいい」
そう言って、凉は立ち上がった。
「待てよ。俺と輝ちゃんの初デート、台無しにする気か?」
秋津はギリギリと凉の腕を掴み、凄みのある声を出した。
秋津のヤツ、一人称変わってんじゃねーか。
これはまさかの野獣スイッチオンですか。
「真秀、悪い」
凉は掴まれた腕を強引に振り払い、スタスタと出口へと消えていった。
「あたしもお邪魔だから帰るわ。輝、ケーキごちそうさま。秋津君、うちの山ザルの面倒よろしくね」
奈留美もスタスタと出口へと消える。
秋津にいつもの男なら誰でも瞬殺スマイルを振りまいて……。

