悪夢のような学園をあとにした輝と奈留美は重たい足を必死に動かし、ケーキ屋という名のパラダイスに到着した。


翔英学園チームともここで待ち合わせだった。


どうやら輝達の方が一足早かったらしく、2人はパラダイスの前でおあずけを食らった。


「アンタの彼氏は女を待たせることがどれだけ恐ろしいか分かってんのかしら?」


奈留美の目は軽く血走っている。


「さぁな。とりあえず、これ以上待たせたらぶっ飛ばす」


学園での疲れが相当溜まっている為、輝の怒りは尋常ではない。


ただの八つ当たりの何ものでもないが。


「あ~き~ら~ちゃーーんっ!!」


タイミングよく、ご機嫌な秋津の声が聞こえた。


「さ、中入ろ」


「そうね」


2人は秋津の最大級の喜びの表情を凍てつく眼差しで一蹴し、さっさと店内に入った。