乙女な彼氏には牙がある!?




駅前のケーキ屋とは、こってり甘いケーキからさっぱりヘルシーなケーキまで幅広い客層に対応している人気店だ。


カフェも併設していて、休日には女性客で満員になるが、平日は持ち帰りの客が多いため、お茶をするには打ってつけの場所でもある。


「あ、でもケーキ屋行くなら秋津に連絡しとかなきゃ!」


輝は慌てて携帯を取り出し、素早くメールを作成する。


「あ、もしかしてデートだったかしら?」


「んにゃ、ただ帰りも一緒の電車乗ろうって約束してただけだからいいよ」


「あっそ。……良かった」


最後の言葉に妙に重みがある。


「どうかしたか?」


「……何が?」


少し不安になって奈留美に目を向けたが、そこにはいつもの強気な奈留美がいた。