乙女な彼氏には牙がある!?




「輝はあたし達の王子様だっていうのに~」


「だから、その王子様ってのやめろよ!あたしは女だ!!」


実は輝は学園のちょっとしたアイドルなのだ!


「だってぇ~。王子様は王子様だもん……」


「だもん、てお前らなぁ~」


何だかこれ、今朝のデジャブみたいだな……。


「しょうがないでしょ。できちゃったもんはできちゃったのよ」


騒音に耐えかねたのか、奈留美が助け舟を出す。


「そうだそうだ!できちゃったんだよ!!」


輝も奈留美の影に隠れながら吠える。


「ほら、先生来るわよ」


まだ何か言いたげだったが、奈留美の一言でお開きとなった。


「ありがとな、奈留美」


「朝の優雅な一時を邪魔されたのがシャクに触っただけよ」


たぶん言い訳だが、奈留美は別段気にしていない体をとった。