乙女な彼氏には牙がある!?




「ふふふ……。燃え尽きたぜ」


頭をゴツンと電車の窓にもたれさせ、灰になる輝。


「ちょっと、そんなに落ち込むことなの?!起きて、輝ちゃーん!」


秋津は慌てて輝の体を揺する。


「逆に僕からしたらうらやましいことだよ?」


「うらやましい……?」


輝の意識が戻る。


「僕ん家、共働きでさ。家にいる時たいてい1人だからそういう賑やかな朝ってご縁無いんだよね~」


なははっと渇いた笑い声を上げる秋津。


ぎゅっ


輝はとっさに秋津の手を握った。


「輝ちゃん?!」


秋津はひどく驚いている。


「そんな風に笑うな」


自分でも何でそうしたのか分からなかった。


でも、諦めたような笑いがどうしても気に食わなかった。