「お前って、子犬の皮を被った野獣だな」
輝がじとっと秋津を睨む。
「やだなぁ、野獣じゃないよ~。僕、か弱い子犬だよ?ワンワン」
秋津が犬のように手を丸めて鳴き真似をした。
妙に似合っているのが少々しゃくに触るがここは言わないでおこう。
「それに、朝から自分のお兄さんの腹部を蹴り飛ばす輝ちゃんに言われたくないよ」
思い出したかのようにくすくす笑い出す秋津。
「!!何でそれ知ってんだ?!」
やっぱりコイツも奈留美同様エスパー的要素を持ち合わせているのか?!
「だって、輝ちゃん電話つなぎっぱだったじゃん」
!!!
そうだ。
あの時、乱入してきた兄貴に気を取られて切り忘れてたんだ!
あたしとしたことが~~……。

