「もぅ、ガキじゃないんだから!」
ぶすっとむくれながら返事をし、立ち上がる。
「あ~き~らぁぁあ!待てコンニャロウ!!」
階段をバタバタと駆け降りながら、鬼の形相の陸が叫ぶ。
どうやら意識が戻ったらしい。
「げげっ!じゃ、行ってきます!!」
輝は逃げるように玄関を飛び出した。
「逃げんなサル輝!」
「兄貴も早くしなきゃ遅刻すっぞ~」
輝は颯爽と手を振りながら家をあとにした。
後ろから陸の切羽詰まった叫び声が聞こえたが、無かったことにして足取り軽く最寄りの駅へと歩き出す。
今日から輝は秋津と同じ電車に乗る約束をしている。
初日なだけに遅刻は許されないので、自然と足取りが速くなった。

