「うわ!まだ倒れてるし……」
輝が2階へと上がると、陸がさっきと変わらない場所で気を失っていた。
そーっと起こさないように部屋に入り、身支度を整える。
髪なんていつもはそのままだが、今日は櫛で梳いてみた。
ベッドに投げ出された携帯をポケットにしまい、カバンを持って、またそーっと下へ降りる。
洗面所でさっぱり顔と歯を洗い、見た目も整える。
ちなみに輝はご飯を食べ終えないと目が覚めないため、歯磨きなどは全て後回しになる。
「よし!」
頬をぺちぺち叩いて気合いを入れ、ニッと笑って玄関へと向かう。
「忘れ物してないわね?」
靴を履いていると、後ろから麻子の声が聞こえた。
小さい頃から輝はおっちょこちょいだったので、麻子は毎朝出て行く前に聞いてくる。

