温もりと共に、秋津の匂いが体全体を包み込む。
なんだか、秋津にぎゅっとされてるみたいだ。
「ありがと」
今度は素直に返事をした。
「いえいえ。でも……」
そう言いながら、またつなぎ直した手をコートのポケットに突っ込む。
「手がちょっぴり寒いからお邪魔させてね」
てへへ、と笑う秋津。
コートの温もりとはまた違う温もりが、輝の胸に広がる。
今日はぽかぽかしっぱなしだ。
そうこうしていると、駅に着いた。
ゆっくり歩いたため、いつもの倍くらい時間がかかった。
空はもうすっかり夜色に染まっていた。
手をつないだまま改札を通るわけにもいかず、手を離す。
なんだかちょっぴりもどかしい。

