「……あっそ」
色気もくそもないそっけない返事。
それでも輝にとっては精一杯の返事。
「輝ちゃん、寒くない?」
季節はもうすぐ冬になろうとしている。
昼は暖かくても、夜はぐっと寒くなる。
秋津は輝には短すぎるスカート丈を気にしたのだろう。
「セーター着てるから大丈夫だ。それにあたし、平均体温高いからな~」
へっちゃらへっちゃら、と鼻を軽くこする。
本当はちょっぴり寒いが、我慢できる寒さだ。
グイッ
秋津が立ち止まったせいで、輝の腕が引っ張られる。
「どした?」
手の温もりが消えたかと思うと、体全体が温もりに包まれる。
「輝ちゃん、女の子なんだからそこは素直に寒いって言っとくもんだよ」
ふふっと笑いながら、秋津が自分のコートを輝に着せてくれたのだ。

