「どしたの輝ちゃん?」
秋津が準備を終えて廊下に出た。
「あ、待って!」
輝も急いで出るが、廊下には誰もいなかった。
窓の外を見ると、ちょうど夜色のキャンバスにオレンジ色がうっすら塗られたような空だった。
「輝ちゃん、行くよ?」
秋津から差し出された手を、少々どきどきしながらもぎゅっと握る。
ゆっくり、ゆっくり、2人で踏みしめるように歩く。
「そういえばさ、なんで輝ちゃんそんなカッコしてるの?」
校門に差しかかったあたりで、秋津が思い出しように聞いてきた。
「奈留美がいきなり着せてきた。てか、お前もよく分かったよな?」
自分で鏡を見ても別人じゃないかと見間違える位なのに、秋津は一目で見抜いた。

