「おバカ!あんたはそのモデル顔負けの細くて長い美脚だけが武器なんだから、惜しむんじゃないわよ!」
奈留美はやたら“だけ”の部分を強調して言った。
「だからってこんなにバケる必要ある?!自分は普通に着ただけのくせに……」
輝はじとーっと奈留美を睨む。
奈留美は普通に制服を着こなし、赤いフレームのメガネをかけただけだった。
端から見ると、どこにでもいる勉強のできる美人学生だ。
いや、こんな美人はどこにでもいないか…
「ま、あんたはトクベツだからね」
奈留美はそう言うと、本当の翔英生であるかのように手慣れた様子で階段を上っていく。
「なぁ、これからどこ行くんだ?」
先ほどまでの会話は、まぁ水に流して輝は何気なくきいた。
もう、どこに行こうが何をしようが、どうでも良くなっているのが本音なのだが……

