「やっと着いた……」


輝は歩く度に悲鳴を上げる体を引きずって、なんとか学校に辿り着いた。


本当はもの凄く、もの凄ーく休みたかったが、昨日が昨日なので、そうも言ってられない。


「おっはよ~!元気そうじゃなぁい」


バシン!


げた箱の前で鉢合わせた奈留美に背中を勢いよく叩かれる。


「ぬぉぉぉぉぉぉお!!」


怪獣の雄叫びのような声を発して床に倒れ込む輝。


「あらやだ!どうしたのよ?!」


尋常じゃない友人の叫びに焦る奈留美。


「とと、とりあえず保健室ね。誰か手伝ってちょうだい!」


学校のマドンナである奈留美が一声かけると、登校してきた男子がわらわらと駆け寄ってきた。


「イッテ!もうちょっとソフトに扱えよ!!」


雑に担がれたため、またもや全身に激痛が走る。


「うっさい山ザル!奈留美ちゃんの頼みで運んでやってんだからありがたく思え!」


男子の容赦ない返答にブチっという音が輝の脳内に響く。