『あ、輝ちゃん!…真秀です。えっと、ちょっと待ったんだけど、戻らないから帰るね。あと、急にごめんなさい。もう行かないから…。じゃ、またね』


秋津の声は、なんとか落ち着いたものにしようと心掛けているとまる分かりなものだった。


まだ出会って1日なのに、メールと留守電の声だけで輝を1番に考えて大事にしてくれているのが分かった。


「もう行かない、か……」


本当なら心底嬉しがるところなのだろうが、また輝の胸がチクチク痛み出す。


お風呂で流してきたはずのいろいろなものがまた覆い被さってきた気分だ。


秋津は、『もう行かない』と言った。


それは、もう会えないということだろうか。


「それは、嫌だなぁ……」


輝は無意識のうちにぽつりと呟いた。


「……は?何言ってんだあたし!!」


勢いに任せてベッドにダイブする。